他の企業にない、
「水」の強み。
小さいころから、遊ぶ場所といえば海か川。水に馴染みのある場所で育った私は、いつしか水のある環境に携わる仕事がしたいと考えるようになりました。りんかい日産建設との出会いも、港湾事業に特徴のある企業だと聞いたからです。建設業といえば、橋や道路をつくる土木事業や建物をつくる建築事業を行う企業が多い。消波ブロックや防波堤の設置など、海にまつわる港湾事業を行っている企業は、実はめずらしいのです。水上で作業をできる重機を有していることや、港湾工事のノウハウのある企業は多くはありません。他の会社がなかなか持てない専門性を学ぶことができそうであったし、なにより自分がずっと望んできた水に関わる仕事をすることができる。大きな希望を抱きながら、りんかい日産建設に就職を決めました。
現場管理は、
企業経営に
似ているかもしれない。
現在の私が担当しているのは、岩手県大船渡市の海辺に防潮堤をつくる現場での施工管理という役割です。作業内容の詳細を定めたり、工事のスケジュール管理をしたり、現場で働く職人さんたちへ指示をだしたり。現場が上手く動いていけるように、様々なもののコントロールを任されています。ひとつの現場は、ひとつの企業のようなもの。どれだけのお金が動いているのか、働く人は安全に働けているか、お客様の要望にはどのように応えていくか。まさしく企業を経営していくような視点で、現場の管理をしていかなければならないと意識をしています。
自然災害は防げなくても、
減災をしていくことは
できるはずだ。
2011年の東日本大震災では、大船渡も津波で大きな被害を受けました。繰り返してはいけない出来事があるからこそ、自分たちの仕事の、意義と責任を日々感じています。現在つくっている防潮堤の高さは7m。それを支える杭は、地下30m。丈夫で少しでも確実に、街を守れるものづくりが必須です。しかし一方で、地域の方からは「高い防潮堤ができたから、海が見えなくなっちゃった」と言われることもあります。地域の人にとっては、海は恐ろしい災害をもたらす存在であると同時に、ずっと親しんできた大好きな存在でもあるのだということを実感しました。だから防潮堤づくりは、ただ丈夫な壁をつくればいいというわけじゃない。そこで暮らす人々にとって、いちばんいい防潮堤とはどんなものだろうかと、悩んだり地域の方々と話をしたりしながら、日々の工事と向き合っています。地震や津波、台風など、自然災害の発生自体を防ぐことは人間にはできません。しかし、それに備えることで被害を減らすことはできると信じている。私たちは防潮堤そのもの以上に、その先にある、地域の人の安全や安心できるくらしをつくっているのだと感じます。